コラム

健康経営優良法人の認定とは
メリットと取得の進め方を産業医が解説

公開日: 2026年9月15日 | 執筆: 産業医 武藤信子

「健康経営優良法人」という認定制度をご存じでしょうか。従業員の健康づくりに積極的に取り組む会社を、国(経済産業省)が認定する制度です。認定を受けると、ロゴマークを名刺や採用サイトに使えるようになり、「従業員を大切にする会社」であることを対外的に示せます。

この記事では、認定を受けるメリットと、中小企業が取得を目指すときの進め方を、産業医の立場から整理してお伝えします。

まず結論

この記事のポイント

健康経営優良法人とは

健康経営優良法人認定制度は、従業員の健康管理を「経営的な視点」で考え、実践している会社を、経済産業省と日本健康会議が認定する仕組みです。規模によって部門が分かれています。

部門対象上位認定
大規模法人部門大企業などホワイト500
中小規模法人部門中小企業などブライト500 / ネクストブライト1000

中小企業の場合は「中小規模法人部門」で申請します。その中でも特に優れた取り組みをしている上位500社が「ブライト500」として認定されます。

認定を受けるメリット

① 採用・定着に効く

求職者、とくに若い世代は「働きやすさ」「健康への配慮」を重視します。認定ロゴを採用サイトや求人票に載せることで、従業員を大切にする会社という印象を与えられます。人手不足の時代に、これは大きな武器です。

② 対外的な信用・イメージ向上

取引先や金融機関からの評価、企業イメージの向上につながります。名刺やホームページにロゴを掲示できます。

③ 自治体・金融機関の優遇

自治体の入札で加点されたり、金融機関の融資で優遇が受けられたりする場合があります(内容は地域・機関により異なります)。

④ 何より、職場が実際に良くなる

認定はゴールではなく手段です。取得の過程で健康づくりの仕組みが整い、従業員が健康で働きやすくなる——これが最大のメリットだと私は考えています。

取得までの進め方

ステップ1: 保険者の「健康宣言」に参加する

中小規模法人部門の申請には前提条件があります。それが、加入している健康保険(協会けんぽや健康保険組合など)が実施する「健康宣言」事業への参加です。まずはここから始めます。加入先の保険者に問い合わせてみましょう。

ステップ2: 自社の取り組みを整える

健康診断の受診率、その後のフォロー、長時間労働対策、メンタルヘルス対策、受動喫煙対策など、認定要件に沿って自社の取り組みを点検・整備します。すでにやっていることも多いはずなので、足りない部分を補い、やっていることを「記録に残す」のがポイントです。

ステップ3: 申請書を作成・提出する

申請書(調査票)に自社の取り組みを記入して提出します。申請には所定の申請料がかかります。例年、おおむね8月頃に受付が始まり、10月頃に締め切られ、翌年春に認定法人が発表される流れです(時期・料金は年度により変わるため、経済産業省の最新情報をご確認ください)。

女性の健康支援は「強みになる」項目

近年、健康経営では女性の健康課題への取り組みが重視されるようになっています。女性のがん検診の受診勧奨、更年期など女性特有の不調への配慮、相談しやすい体制づくりは、認定においても評価されるポイントです。女性従業員が多い会社や、女性活躍を掲げる会社にとっては、ここが他社との差別化にもなります。

「何から手をつければいいか分からない」という場合は、産業医や保健師と一緒に、自社に合った取り組みから始めるのがおすすめです。

まとめ

健康経営優良法人の認定は、①健康宣言への参加 → ②取り組みの整備 → ③申請、という流れで目指します。採用や信用の面でメリットがあるだけでなく、取得の過程で職場が実際に健康的になるのが一番の価値です。女性の健康支援は評価される項目でもあるので、強みとして打ち出していきましょう。

健康経営の認定取得をお手伝いします

Nexus Health & Wellness では、健康経営優良法人の認定取得支援を行っています。
女性の健康支援・がん対策など、女性視点の施策を強みに、貴社の取り組みを一緒に整えます。

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この記事の執筆者: 武藤 信子(産業医)
日本医師会認定産業医。外科学会専門医・乳癌学会専門医・がん治療認定医・抗加齢学会専門医。外科医としてがん治療に携わった経験をもとに、健診フォロー・がん検診の受診勧奨・治療と仕事の両立支援に力を入れている。プロフィールの詳細はこちら